
軽音サークルに入部した大学生の僕は、ある日、部室で先輩に声をかけられた。
――「あたしとバンド組まない?」
大学の講義をサボりながら、アルバイトとバンド活動に励む日々。
結成から一年後、全国的な広がりを見せる学生組織主催のイベントへの出演が決定するが……。
僕らの穏やかに流れていく時間と背後に歩み寄る影、口に出さずとも共有する時節の空気。
現代的な会話のやりとりに、つぶやき・ひとり言を交えながら、
現在を生きる若者の《語られない実感》を多面的に描き出す。
名古屋の若手劇作家・演出家、かしやましげみつによる最新作「大学生」。
ほんのすこしだけ、未来のはなし。